アラカンの逝く前に行ってみた

主に美術館巡りかな

53. 静かな公園にある区民のための美術館 - 目黒区美術館(東京都目黒区)

 東京23区には11の区が関与する美術展示の施設があるとのことです。国立、都立の大きな美術館はもとより、各種法人が運営する世界的に有名な美術館も多数存在するのが東京。区立の施設を開設、運営するには区民が納得する妥当な意味づけが必要でしょうし、区民の支持を得続けるための日常的な努力、苦労もひとかどではないように思われます。墨田区の「すみだ北斎美術館」が地元が誇る芸術を世界に向けて発信する施設ならば、今回訪れたのは、区民センターの一角にある、区民のための美術館と感じられる施設でした。


ざっとした御説明(2022年5月上旬の情報です)

 1階にお土産物も売っている受付と飲み物が楽しめる休憩スペースがあって、2階に展示スペース。展示スペースはバドミントンコート二面分程度の展示室が2つと卓球にちょうど良さそうな部屋が一つで、常設展示はありませんでした。また、区民が作品を展示できるギャラリーが別棟にあるようで、利用には抽選が必要とのこと。また、入場チケットには区民割引もあるとのことでしたが、必要な証明書等の詳細は区民ではないアラカンにはわかりません。
 建物の中で気になったのは、吹き抜けの鉄骨のモニュメント。解説等は一切無く、もしかしたら展示物ではなくて構造体の一部なのかもしれません。(笑)


アラカンの個人的な感想

 グレーがかった壁に押さえられた照明と、ちょっと歴史を感じさせられる作りになっていました。白い壁に白色LEDによる明るい照明が普及した昨今の展示スペースに違和感を感じる方々には、ちょうど良いのではないでしょうか。雨天の休日に行ったせいか、とても静かな環境にあったことも印象に残っています。多くの美術館がひしめく東京都内の、区民センターの一角にある地域住民のための施設なのですから、華美さや目新しさよりも、落ち着いた親しみやすい雰囲気が大切でしょうし、そのような施設であるように感じました。


オススメするとするならば

 季節が良ければ東横線の中目黒駅から目黒川沿いを歩いてくるのが気持ち良いでしょう。少し離れていますが有名な目黒不動尊も歩いて行ける距離にあり、その道すがらにあるのが「目黒寄生虫館」。「生食が日本の食文化」だという誤解が広まってしまっているようですが、アラカンが子供の頃には「蟯虫」、親の世代なら「回虫」がお腹にいて当たり前だったのが昭和の日本。生焼けの豚肉から肝臓ジストマを頂戴して死にかけた人の話を聞くこともあって、「豚しゃぶ」などもっての外の時代でした。いろいろなものを火を通さずに食べることをありがたがるようになったのは70年代も後半、日本人がレア・ステーキの美味しさをってからじゃないでしょか。それまではせいぜいが海鮮の刺身でした。野菜はよく洗い、肉や魚はちゃんと加熱してから食べるべきものだと教えてくれる、良い施設だと思います。ちなみに、保存液中の虫たちは色を失い、動いてもいませんから、意外と冷静に観察できますので、ご安心を。


私はこうやってたどり着いた
JR東日本の目黒駅西口からスタート

駅を出たら右方向へ

最初の大きな交差点を渡って左折(右折すると庭園美術館方面)

坂道を下りつつ商店街のアーケードを抜けて目黒川へ

目黒新橋を渡ったら案内標識にしたがって右折

目黒川沿いを東急東横線中目黒駅方面へ

プールが見えたら看板にしたがって公園の中へ

木立の中を奥へ奥へ

一番奥に入り口