アラカンの逝く前に行ってみた

主に美術館巡りかな

57. 「やまたね」と言っても種苗会社ではないのでした - 山種美術館(東京都渋谷区)

 「美術館へ行く」ということを主目的としたブログを続けているおかげで、自分の好みから外れたジャンルの作品にも数多く触れることができています。「西洋絵画に関する知識や鑑賞体験を十分に得て海外旅行をより充実したものにしたい」という理由で美術館巡りを始めたアラカンですので、日本画はちょっと縁遠い感じがしていたのですが、最近では鮮やかな顔料を使った作品は好んで見るようになりつつあります。今回、この美術館を訪れたきっかけは、NHK・eテレの美術番組の展覧会情報で見かけた「奥田元宋の赤」。東山魁夷の青と並び称されるのだそうですが、還暦をすぎてやっと知りました。


ざっとした御説明(2022年6月中旬の情報です)

 近代・現代日本画がお好きだった証券会社のオーナー社長さんが創立した美術館。種苗会社を連想させるネーミングですが、ネットによれば社長さんは戦前は「売りの山種」と通称された「相場師」だったとのこと。「山種」は苗字と名前から1文字づつを取り出した、とっても昭和なあだ名でした。近代・現代日本画がお好きだった理由もちょっと変わっていたとの記事も見受けられますので、興味がある方は検索してみてください。
 中層のビルの中にありますが、1階に受付、ロッカーとカフェ、地下1階に二つの展示室とミュージアムショップとこじんまり。展示室は大きなものが一つと10畳間くらいの小さなものが一つで、大きな方で企画展、小さい方は数点ですがコレクションから選ばれたものが展示されるスペースになっていました。


アラカンの個人的な感想

 1966年に開設された、日本画を収集、展示する美術館として有名で伝統もある美術館ですが、意外なくらいコンパクト。立地を考えればかなりの地価でしょうから当然なのかも知れませんが、現在の場所に移転したのが2009年とのことですから都心にあり続けることに重きを置いているのでしょう。多くの作品を展示することよりも、少しでも多くの人に作品に触れてもらいたいということなのかも知れません。また、小さいながらもコレクションを展示する常設スペースを確保しているところにも、何がしかの主張を感じてしまいました。
 都心とは言っても住宅街で辻向かいは高等学校という静かな街。展示室は地下で照明が抑えられており、大都会の真っ只中ににいることを意識することはありませんでした。


(オススメするとするならば)
 若くて元気な頃ならば、西麻布や六本木、あるいは渋谷駅近辺で軽くハシゴ酒といった所だったかも知れませんが、とっくに還暦を過ぎた身としては無理は禁物。品川経由で川崎駅まで戻り、駅ビルでワインを舐めてからの帰宅としました。自宅まではもう少しあるのですが、乗車時間が短くなれば寝過ごして熱海であるとか伊東、沼津あたりまで連れて行かれる心配も少なくなる気がしています。気が緩んで飲み過ぎたら元も子もありませんが。(笑)


私はこうやってたどり着いた
JR東日本の恵比寿駅の西口、恵比寿像前からスタート

山手線のガードをくぐって、東口の方向へ

あとは道なりに1kmほど直進

「山種美術館前」の交差点を渡ったらもう少し

右手に美術館入り口