アラカンの逝く前に行ってみた

主に美術館巡りかな

非日常的異空間と言えば、やっぱり船じゃないでしょか?

 アラカンにとって美術館は非日常的な異空間でひと時を過ごす場所なのですが、非日常的な異空間と言えば「船」も外すことができません。普段は台風が来れば潮を被るような海沿いに住んでいるとは言え、近くには釣り船屋が数件ある程度。釣りに全く興味がないアラカンにとって船に乗ることは、旅先での非日常性をさらに高めてくれる最高のアトラクションの一つです。
 下の写真は2016年の8月のシアトルの街を、街の沖30分のところにあるベインブリッジ・アイランドへ行くフェリーの上から撮ったもの。料金は日本円で1000円程度でちょっと高そうなのだけど、チケットを購入するのは行きだけで帰りは無料。他に交通手段がないので、「島から出て行く人=街からフェリーで来た人」ということだったようです。

 
 海の上には遮るものがなく、海岸線に沿って坂道が続くシアトルの街が一望にできて、気分は最高。30分程度の乗船だけど意外と街から離れ、ちょっとした小旅行気分でした。それにしても、出かけた先の天気が良いということは、思い出までもが2割り増しで良いものになるように感じてしまいます。


 目的地の島は住宅地でシアトルに通勤している人が多いとのことでしたが、船着場付近はちょっとした別荘地のようでした。

 
島には小さな商店街はあったものの、これと言ったものはなくて、やはり住宅地。そこで、商店街で見つけたワインの(有料)試飲ができるお店で帰りの船までの時間を過ごしました。写真は原産地がドイツのブドウを使ったワシントン州産の赤ワイン。日本ではカリフォルニアのワインが有名ですが、もっと北にあるワシントン州、オレゴン州のワインは酸味がしっかりしていて、より素敵だと思っています。


 大型のクルーズ船でスエズ運河やパナマ運河を超えてみたいという夢はありますが、独り者のアラカンは、今のところはこんな感じで楽しんでいます。
 最後ぼ写真はフェリーの外観と船室の様子です。通勤用のフェリーと聞いて橋がわりの艀を想像していたのですが、大型観光バスやトラックも沢山積載できる大型フェリーでした。

7. ゆっくり、ゆったりの極みは「あの時代」の遺産かな- 平塚市美術館(神奈川県平塚市)

ざっとした御説明(2018年11月上旬の情報です)
 人口30万人に満たない地方都市の市立美術館なんだけど、とにかくでかい。体育館のような建物が2棟あって、前庭もゆったり。展示のためのまとまった部屋が二つに資料室と視聴覚室(防音設備とグランドピアノ有り)、加えて市民活動のための展示スペースに喫茶室と盛り沢山。今回訪れた時には、企画展と収蔵品展と市民サークルの発表会が同時に開催され、視聴覚室では企画展関係のテレビ番組を録画したものが上映されているといった具合で、ただ大きいだけではなくてちゃんと活用されていました。

正面入り口付近


アラカンの個人的な感想
 とにかく「空間」だらけ。二つの大きな建物の体積の半分は吹き抜けになっていて、建物をつなぐ部分も「屋上庭園」のような作りなので、ゆっくり、ゆったりと「何もしないをする」には最適な空間になっています。開館した頃(1991年)の時代を思えば、いろんなものにお金をかけるだけの余裕が日本にもありましたね

巨大な吹き抜け。展示スペースより広いかも。


 展示については収蔵品に特徴があって、東京の美術学校で学ぶために上京した後、相模湾沿い(いわゆる湘南)で暮らした芸術家からの寄贈・遺贈が多いように思います。ですから、収蔵品展では明治以降の日本の作家の絵画、彫像、写実もあれば前衛的な現代美術もありと、様々なジャンルの作品を楽しむことができます。


オススメするとするならば
 大磯、茅ヶ崎という、ある程度は知られた観光地に挟まれた平塚市なのですが、平塚市そのものに遊びに行く人って珍しいんじゃないでしょうか。そんな平塚に敢えて足を運ぶとするならば、やっぱり七夕祭りかな。新暦でやるので7月7日あたりの週末、賑やかにやっています。(下の写真は2016年に撮影しました)


 それともう一つはサッカー。何年かに一度、彗星のようにJ1に回帰する湘南ベルマーレの本拠地まで美術館からは歩いて10分程度です。


私はこうやってたどり着いた


駅から徒歩なら西改札北口へ、今回はバス利用なので東改札北口へ


駅舎を出たら左方向へ。健脚自慢なら「ららぽーと行きのバス」を利用して買い物、食事をしてからぶらぶら歩いてもOKだけど、美術館へ直行するときはバス乗り場沿いに駅前広場反対側へ向かいます。


地下道入り口に挟まれた「4番乗り場」から乗車しますが、微妙に経路が違う2系統のバスが同じ乗り場から発車します。どちらでも辿り着けますが、歩く距離を短く済ませたい人は運転手さんに確かめてください。


「美術館入り口」のバス停で降りたら平塚駅方向へ引き返して「平塚警察署入り口」の交差点へ。あとは看板に従って30m程歩きます。バス料金は現金なら180円、IC乗車券なら175円でした。

始まりはアフリカ晴れのイタリアだった

 2012年の7月、生まれて初めてのヨーロッパ旅行に行きました。ローマ、フィレンツェ、ベネツィア、ミラノという定番コースの添乗員付きパックツアーで、システィーナ礼拝堂で「最後の審判」、ウフィツィ美術館で「ビーナスの誕生」、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会で「最後の晩餐」を鑑賞するというもの。事前予約や団体さん用ファスト・トラックを利用して並ばずに入場できるというのが売りで、加えて、半日単位のフリータイムが何度か用意されていて、海外旅行の初心者が経験を積むにも都合が良いと思って参加しました。


バチカン美術館の中庭。

バチカン美術館の前庭。正面入り口を入ったところ。


ウフィツィ美術館の入り口付近

ウフィツィ美術館の入り口付近


サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会。「最後の晩餐」がある食堂跡を出たところ。

サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の中庭


 ツアー中はのイタリアはアフリカ生まれの乾いた熱風に包まれて、どこへ行っても抜けるような青空。写真ではフィレンツェの川やベネチアの運河とか、決して綺麗ではないはずの水面が綺麗な青に映っていますが、これは空が反射しているからです。


フィレンツェのベッキオ橋。


ベネツィア、サン・マルコ広場の鐘楼からの眺め。


ミラノの大聖堂。

ミラノの大聖堂


これだけの好天に恵まれれば、旅の思い出は悪くなり用がない訳ですが、ちょっとだけ残念なことがありました。それは、バチカンの美術館やウフィツィ美術館では教科書に載るような歴史的な名品にか囲まれたはずなのに、見る目がないアラカンには何が面白いのかよくわからなかったこと。猫に小判、豚に真珠と言う、まさにそんな感じでしたね。


これにはかろうじて気が付きました。(バチカンにて)


人類共通の財産のようなものに囲まれているはずなのに、それが理解できない自分がつくづく情けなくなり、「せめて東京あたりで開催される大きな企画展くらいは経験しといて見る眼を養いたい」と思ったのが、美術館に出入りするようになったきっかけです。


さて、ローマは街そのものが人類の財産のようなところで、プラッと入った教会で歴史的名画とご対面ということもザラらしいです。下の写真はポポロ広場の双子の教会で、カラバッジオとかベルニーニの名品があるらしいのですが、アラカンはサクッと素通りしてきました。再チャレンジしたいと思ってはいるものの、トレビの泉への御賽銭のご利益は未だにあらたかではないようです。


ボルゲーゼ公園から見た「双子の教会」と「サン・ピエトロ教会」のキューポラ。

ボルゲーゼ公園からの「双子の教会」とサン・ピエトロ教会の眺め


この入り口の奥に名品があったらしい。写真は撮ったけど、素通りしましたぁ!