アラカンの逝く前に行ってみた

主に美術館巡りかな

60. 若いうちの旅は一生の思い出になりますね - 本郷新田記念札幌彫刻美術館(北海道札幌市)

 まだJR各社が「日本国有鉄道」だった頃、「周遊券」という格安切符がありました。まだ私が高校生で、貯めた小遣いがそこそこの額になり、北海道全域を移動できる周遊券と食事代くらいは賄えることに気づいた時の事です。母親に「函館、札幌よりもっと遠く、稚内、帯広まで行ってみたい。」と話してみたところ、なんと一人旅を許してくれた上に父親を説得してくれるというのです。母としてもかなり心配ではあったらしく、着てゆく衣服の裏側に「誰にも教えるな」と言って1万円札が入った袋を縫い付けて送り出してくれたのですが、今思い返してみると、すごい勇気のある人だったなと思います。


 出かけたのが3月の春休みシーズンで、「北を目指す家出少年、少女」が大量発生する時期。青函連絡船の待合室など行く先々で警官や出会った人々に声をかけられることに疲れて稚内でUターンしてしまいましたが、若いうちの冒険は一生の思い出、道中の色々な出来事は未だに懐かしく思い出されます。


 今回は、その時の思い出と繋がる彫刻家を記念する美術館のご紹介です。


ざっとした御説明(2022年6月中旬の情報です)

 展覧会が開催される本館と彫刻家のアトリエ跡の記念館からなる、緑豊かな山麓の静かな住宅地にある美術館。本館1階に受付のあるエントランスホール、中2階と2階に回廊式の展示室が5つ。記念館には吹き抜けになったアトリエや、彫像製作に使用した石膏像や木彫が保存されていました。
 どちらもこじんまりとした建物で、アラカンの滞在時間は30分程度でした。


アラカンの個人的な感想
 日本中の公園などの公共施設に作品が残っている、全国的に有名だった彫刻家だという事は、残念ながらアラカンは知りませんでした。それでも札幌市中心部から離れたこの美術館を訪れたのは、まだ若い頃に稚内公園で見かけた「氷雪の門」に未だに惹きつけられているからです。2015年に再び稚内を訪れた際に彫刻家の記念美術館が札幌にあることを知り、いつかは訪れてみたいと思っていました。今回訪れてみたところ石膏像が残されていて、びっくりするやら嬉しいやら。


オススメするとするならば

 稚内は札幌からでもまだ遠く、飛行機も羽田、札幌からしか飛んでいないため気軽に訪れる事ができる街ではないですね。そこで、せめて写真だけでもとお思い、2015年に再訪した時に撮影してきた写真を紹介させていただきます。高校生の時に訪れた際には、空も海も鉛色で雪がちらついていました。公園も雪に覆われて人影はなく、「荒涼」とか「寂寞」という言葉がぴったりの光景だったと記憶しています。


私はこうやってたどり着いた
新千歳空港から直行すべく、エアポート快速で琴似駅へ

琴似駅からはタクシーを利用。料金は1470円でした。