アラカンの逝く前に行ってみた

主に美術館巡りかな

87. あえて二つなのね - 掛川市二の丸美術館・掛川ステンドグラス美術館(静岡県掛川市)

 日本中でよく見る観光アイテムといえば、郷土博物館に美術館、そしてお城。お城はインバウンドのお客様だけではなくて日本人にも大人気ですね。アラカンも訪ねた先に城址があればなるだけ立ち寄って、天守閣があれば欠かさず登っています。明治の廃城令や太平洋戦争の空襲などの影響もあって、今では鉄筋コンクリートの天守閣が当たり前のように建っていて「復興天守閣」と呼ばれているのに対して掛川城址の天守閣は史実に基づいて木造で建て直されたもの。「復元天守閣」と呼ばれて(マニアの間では)別格扱いされているのですが、戦国時代の天守閣そのままの建築で問題になるのはハシゴのような狭くて急な木製の滑る階段。昔のものが現存している天守閣はもちろん、史実に忠実に再現された掛川上天守閣でもかなりのハラハラドキドキが味わえました。アラカンとしては手すり付きの階段がある「復興天守閣」の方が好きで、どうせ現代において建て直すなら大阪城や名古屋城のようにエレベーターもつけて欲しいです。


ざっとした御説明(2023年8月下旬の情報です)

 正式には公益財団法人が運営している美術館で掛川城址の一角にあることもあり、観光客のための施設かと思っていたのですが、スケッチ画の公募展なども開催している、市民のためのいわゆる「市立美術館」的な施設のようです。二箇所に分かれた企画展示室と観光案内所的な雰囲気もある広いロビー。常設展示室はなかったのですが、市民からの寄贈品をコレクションとして所有していてロビーや壁面を利用して展示しているようでした。また、お隣に同じ財団法人が運営するステンドガラス美術館があって、こちらでは市民から寄贈されたステンドガラスが展示されていました。とても小さな建物でしたが、19世紀末に作られたとは思えないほど保存状態が良い、まるで新品のようなステンドガラスを自然光で鑑賞できるという、ちょっと珍しい施設かなと思いました。


アラカンの個人的な感想
 なんで二つの美術館に分けたのか不思議に思っていたのですが、行ってみて納得しました。二の丸美術館は瓦屋根の和風建築で、隣接する本丸御殿や二の丸茶室と調和した建物。他方、ステンドガラス美術館は19世紀末のステンドガラスを展示するに相応しい洋風の建物で、性格が全く別物。また二の丸美術館の主たる展示が企画展示なので、そちらに興味が持てなければステンドガラス美術館にだけ立ち寄れば良いのでアラカンのような観光客には好都合。逆に掛川市民にしてみれば、毎度毎度ステンドガラスを見ても仕方がないでしょうから、別の施設にしたのはとても合理的なように思えます。


ちょっとしたオマケなどなど

 復元天守閣にも登ることができる山城跡を巡る観光とセットになりがちな施設ですので、ゆっくり座って糖分と水分が摂れる休憩場所はとても大切。簡単に済ませるなら二の丸美術館隣の二の丸茶室が、椅子に座って庭園を見ながらケーキセットなどをいただくならばステンドガラス美術館の先にある「竹の丸」がよろしいかと。ちなみに、「竹の丸」と聞くとお城の曲輪の名前を連想してまうのですが、城内に明治に建てられた建物の名前のようです。


私はこうやってたどり着いた
JR東海掛川駅北口から

二宮金次郎像を通り過ぎて、お城に向かってひたすらに直進

復元天守閣を見学したいなら丘の上へ、丘を巻けば坂を登らず美術館へ直行可能