アラカンの逝く前に行ってみた

主に美術館巡りかな

55. 建物そのものに(も)価値があるとのことでした - 港区立郷土歴史館 (東京都港区)

 アラカンが在籍していた大学には戦前に建てられた建物が残っていましたが、キャンパスの移転等で使用されなくなった事もあって、通っていた40年ほど前には「廃墟化」していました。いずれ大きな地震でもきて倒壊したら処分されるのかと思っていたのですが、現在では使えるものは耐震補強等の手を加えて現役復帰、あるいは外壁だけを装飾的に残して建て直すなどしているとのことでした。現在では日本のあらゆる所で空家が問題になっていますが、人間の手が加えられなくなった建物はあっという間に荒れ果ててしまうわけで、それは歴史的に価値がある大規模な建築物でも同様です。維持、管理に必要な資金を確保するには、現役の施設として使い続けることが何よりの方法な訳で、とにもかくにも新築物件が大好きな日本人にとっては悩ましい問題なんじゃないでしょうか。


ざっとした御説明(2022年5月上旬の情報です)

 昭和の初めに開設された「旧公衆衛生院」の建物を港区が活用している施設とのことで、港区の福祉関連の施設や図書室として利用しつつ、1〜3階の半分程度を有料展示ありの郷土資料館として活用しているとのことです。ロックフェラー財団が資金を提供して東京大学本郷キャンパスの有名な建築物群を設計した建築学科の教授が手がけた建物で、建物そのものに価値があるとのことです。有料展示スペース以外の部分は無料で入場できて、旧講義室や旧院長室など、往時の姿を偲ぶことができる部屋も見ることができました。
 なお、有料展示には常設と特別展示があり、チケットは共通、個別を選択できるようになっていました。


アラカンの個人的な感想
 建物を見学したら展示は見ないつもりで訪れたのですが、入り口で職員さんから丁寧に声をかけて頂いたりしたこともあって、ついつい常設・特設展示の共通入場券を購入してしまいました。地方自治体が運営する「郷土資料館」的なものは日本中にあって、無料も納得の展示だったりすることが往々。しかし、個々の展示は「ブラタモリ」で取り上げられていた大名屋敷の話を詳しく知ることができたり、都電が走っていた昭和の頃の様子を知ることができたりと、思っていた以上に楽しむことができました。古い建物を維持管理するには相応の資金が必要でしょうから有料展示は良い取り組みだと思いますし、展示の内容を充実、更新して行くモチベーションになってくれれば、頻繁に訪れる可能性がある地域の住民メリットがあるんじゃないかと思います。


オススメするとするならば
 東日本では屈指の高級住宅街、「定番のおしゃれタウン」ということで、アラカンが楽しめる街ではなかったというのが正直なところ。ドンキまでもが「プラチナ・バージョン」になっているのには驚きました。

 ということで、三田線を日比谷で乗り換えて銀座SIXへ直行。ブルゴーニュの白ワインをチビチビやって1日を終えたのでした。


私はこうやってたどり着いた
都営三田線白金台駅の一番出口を出たら、右方向

道路の反対側に東京大学研究所の附属病院があって、その先を左折すれば目的地