アラカンの逝く前に行ってみた

主に美術館巡りかな

77. 神宮外苑の散策とセットがよろしいかと - ワタリウム美術館(東京都渋谷区)

 美術館に行くことそのものを目的として施設へ出向いてきたおかげで、若い頃には興味が持てなかった抽象絵画も楽しめるようになりつつあるアラカンではあるのですが、オブジェとかインスタレーションには未だに馴染めません。今回訪れた美術館でも、また興味が薄れる体験をしてしまいました。かなり名の知れたアーティストの作品で、熱帯魚が飼われている水槽が二つ並べられ、その水槽越しに映像作品を鑑賞するという展示です。映像は古典バレエの素養のありそうな初老の男性が踊っているもので、正直に言ってつまらないものだったのですが、左右のモニターの映像が微妙にずれていることに気がついてしまいました。で、「単に再生のタイミングがずれているのか、もしかしたら良く似た別撮りした二つの作品なのか」とか気になり出したら確かめたくなってしまい、ついつい延々と見る羽目に。真っ白な背景で暗転するシーンとかもないままにオジサンが踊っているだけで、始まりや終わりがハッキリしない映像なため、しばらく見続けても全部見たのかどうか自信が持てないという蟻地獄。おそらく、作者の思う壺に深々とハマっていたのでしょう。(涙)


ざっとした御説明(2023年4月上旬の情報です)
 

 1990年開設で30年を越える歴史がある私設の美術館。根津、山種と併せて3大私設美術館と呼び人もいるようです。神宮外苑のすぐそばの一等地に、いかにも現代美術専門の美術館と思わせてくれる建物が建っています。1階に受付と雑貨屋さんが、2階から4階に卓球のダブルスができそうなくらいの展示室があり、地下に飲食店。美術館のショップとは名乗っていませんでしたが、立ち寄る場所として美術館に欲しいものは一通りある感じでした。なお、2階から3階の間は外階段を利用できて、椅子に座ってゆっくりと通りを眺めることができるようになっていました。


アラカンの個人的な感想
 現代アートには疎いアラカンでも知っているアーティストの作品が展示されていて、とりあえず有名どころの名前だけでも知りたい人には良い施設なのではないでしょうか。写真や印刷物の展示が多かったり、1階のお店で大量のポストカードが販売されていたのが印象に残っています。絵画やインスタレーションは少なめで、そちらに興味がある方にはちょっと厳しいかも。実のとろアラカンは大半の時間を1階のお店でポストカードを鑑賞して過ごしてしまいました。


ちょっとしたオマケなどなど

 季節、天気が良ければ神宮外苑を歩くのが気持ち良いです。有名な銀杏並木は地下鉄の外苑駅の反対側になるので、一筆書きで回るには国立競技場やJR東日本の中央・総武線信濃町駅をうまく絡めて経路を決めるのが良いのではないかと思います。苑内の樹木をバッサバッサと伐採しちゃう計画もあるらしいので、行くなら早めがよろしいも。健脚自慢にお勧めなのは青山霊園を抜けて新国立美術館、サントリー美術館へ、あるいは都道を直進してモリアーツセンターまで行って美術館三昧の休日。ただし、天気が良すぎる日はおすすめしかねる、というのは、神宮外苑から新国立美術館まで一度だけ真夏の炎天下に歩いたことがあるのですが、意外と距離がある上に日陰に乏しい経路で危うく霊園が最終目的地になるところでした。御注意あれ。


私はこうやってたどり着いた
東京メトロ銀座線外苑前駅1b出口からスタート

地上へ出たら国道246号線を渋谷へ引き返す感じで直進

南青山3丁目の交差点を渡ってから左折

しばらく行くと左手に目的地

76. ほぼ小さな町の美術館 - ギンザ・グラフィック・ギャラリー(東京都中央区)

 銀座というと「高級」とか「老舗」といったイメージを抱きがちなのですが、そういうお店は見て楽しむだけにすれば時間を潰すのにお金はかかりません。少しは買い物や飲食も楽しみたければ各県のアンテナショップを巡るのも良いでしょうし、「ライオン」で軽くビールとソーセージを楽しむにしても値段は他所と(おそらく)一緒。人混みに疲れたらちょっと脚を伸ばして浜離宮まで行くこともできて、もちろん、「無料」で楽しめるところが少なからずあります。


ざっとした御説明(2023年2月下旬の情報です

 大日本印刷株式会社の文化活動の一環として1986年に開設された施設だそうです。なぜ銀座かというと、創業の地だからという分かりやす理由でした。アラカンが訪れた時には、入り口を入ってすぐのところにポスター類が展示され、地下では企画展。2階に図書と椅子、テーブルが用意されたライブラリーがありました。銀座でギャラリーというと、美術品を売買する場所、あるいはビルの一角を利用した展示スペースといったものが思い浮かぶのですが、ここの雰囲気は小さな町の美術館といったところ。


アラカンの個人的な感想

 銀座にある無料で入れるギャラリーの中では、延べ床面積は一番広いんじゃないかと思います。ライブラリーまで用意されていて、建物のかなりの部分がギャラリーとして使用されているのにはちょっと驚きましたが、エントランスを入る時点での気軽さも一番かも。少し気取った感じかする土地柄ですが、とっても親しみやすい施設だと感じました。


ちょっとしたオマケなどなど
 所在地は有名な時計台がある銀座4丁目の交差点のすぐ近く、賑やかな有楽町・銀座界隈でも一番賑やかな所で、そぞろ歩くも良し、散財に精を出すも良しです。バブル経済の余韻が残る時代に会社員だったアラカンには、上品な御香の匂いがする和服姿のお姉様方がお勤めになっているお店に出入りした経験も無いことはないのですが、現役を引退した今ではワイン屋の有料試飲で木樽の香りを楽しむのが精一杯の贅沢。とは言っても、銀座SIXの地下2階や5丁目の宝石店の2階ならば酔いが覚めるとともに深い後悔を感じるほどの散財も可能!。流石は銀座です。(笑)


私はこうやってたどり着いた
地下鉄の銀座駅が最寄りなのですが、資生堂パーラーからのハシゴだったアラカンはJR東日本の新橋駅からスタート


JR東日本新橋駅北改札を出て左方向、銀座口へ

駅舎を出たら外堀通りを渡って右折。汐留、浜離宮の方向へ

歩行者天国になる中央通りに出たら左折して東京駅の方へ

銀座SIXのビルが見えたら左折、JRの線路の方へ

1ブロック行った先の左手が目的地

75. 「花椿」は化粧品だけじゃありませんでした - 資生堂ギャラリー(東京都中央区)

 東京で用事を済ました後は、JR東海道線で帰るのに便利な銀座で一杯やってから帰宅する事が多いです。そのため有楽町駅から新橋駅間を歩く機会は月に幾度かあるのですが、2023年の正月あたりから人手が一挙に増えたように思っています。休日の歩行者天国は2022年中から再開されていたようですが、やっと本格的に人流が戻って来たようです。インバウンドなお客さんの姿も増えて来て日常が戻って来ているのは何よりなのですが、人混みが苦手がアラカンは休日を避けて遊びに行く事になりそうなのが、ちょっとだけ不便かな。


ざっとした御説明(2023年2月下旬の情報です)

 明治の頃、元々の資生堂は薬局だったらしいのですが、現在では「グループ企業」として様々な事業を手掛けているようです。で、今回おとずずれたのはグループ企業の中の一つである「資生堂パーラー」の銀座本店の中にあるギャラリー。入り口は1階で階段を降りた所にバドミントンコートサイズの展示室が一つと、隣接して小さな部屋がもう一つ。面積は小さめでしたが天井がとても高かったことが印象に残っています。


アラカンの個人的な感想
 資生堂と聞くと化粧品メーカーの大手というイメージしかなかったのですが、お店に入れば洋菓子がずらり。なんか変だなと思って帰宅してからホームページをじっくり見たら、ビル自体はレストラン、バー、カフェ、催事場などが主体になっていて化粧品とは無縁でした。しかし、えんじ色っぽい赤が基調のビルの外壁の効果もあってか、売り場のデコレーションなんかもとってもオシャレ(死語ですな)に感じられてしまいました。休日のブラブラ歩きの休憩ついでに飲食、美術鑑賞とかって、地方都市でもできる都会的な過ごし方なわけですが、流石に銀座は一味違うと思わせてくれる施設だったように思います。


ちょっとしたオマケなどなど 

 中央通り沿い、新橋駅からの道すがらで見つけたのがマスク姿の「せんとくん」。奈良県のアンテナショップがあったのでちょっと寄って見たのでですが、物品の販売だけではなくて飲食もOK。本格的なレストランもあるようでしたが、1Fにあるカウンター席でビールを楽しんできました。こちら、曜日、時間帯によっては日本酒の飲み放題もやっているとのことでしたので、ちゃんと勢いをつけてから新橋駅方面へ繰り出したたい方にオススメです。


私はこうやってたどり着いた
JR東日本新橋駅北改札を出て左方向、銀座口へ

駅舎を出たら外堀通りを渡って右折。汐留、浜離宮の方向へ

歩行者天国になる中央通りに出たら左折して東京駅の方へ

通りの左側に面した赤いビルが目的地