アラカンの逝く前に行ってみた

主に美術館巡りかな

83. 「三井のすずちゃん」の三井です - 三井記念美術館(東京都中央区)

 江戸時代から明治から続く東京の繁華街というと浅草、日本橋あたりになるのでしょうが、アラカンの感覚ではピンとこないのが正直なところ。遊びに行くとなると、やっぱり、銀座、新宿、渋谷あたりですかね。しかし、三越の日本橋本店や三井本館の歴史を感じさせる重厚な眺めは他の街では観ることができないもの。街を歩く外国人観光客の姿も多く、日本橋の上を通る首都高速の地下化などが進めば、また人を引きつける街になるだけの素地は残っているように思います。丸の内は三菱地所が再開発したと聞きますが、となれば日本橋界隈は越後屋さんこと三井グループの頑張りに期待することになるのでしょう。そういえば、最近は「三井のすずちゃん」のテレビCMを目にすることも多くなりました。


ざっとした御説明(2023年6月下旬の情報です)

 日本の歴史上に燦然と輝く名を残すお金持ち一族、三井家ゆかりの文書や美術品を管理している三井文庫の別館が2005年10月に移転、開設した美術館。三井本館の中にあって、本館そのものも歴史的に重要な建築らしいです。建物の1階は銀行の店舗として使用中ながらもエレベーターの階数表示が機械式の針と表示板だったり、以前に使っていた金庫のドアが展示されたりしていて、古い建築を見るのが好きな人にも嬉しい施設になっているのではないでしょうか。


アラカンの個人的な感想
 東京駅を挟んで反対側の丸の内では三菱・岩崎家のお宝が、こちらでは三井家のお宝が拝見できるわけですが、どちらを訪れても戦前までの両家の繁栄ぶりの凄さを想像せずにはいられません。また、今回訪れた時に開催されていた企画展が「三井家創業期の事業と文化」に関するものだったこともあって、「越後屋 = 大きな呉服屋」程度の知識しかなかったアラカンは新鮮な驚きを楽しむことができました。ご先祖は戦国時代の武将で、呉服屋の他に両替商もやっていて本家は京都在住ということで茶の湯に親しんだのは当然の流れで、商家として財をなしてからは茶道具の蒐集を始めたのだそうです。ちなみに、三井家と一口に言ってしまいがちですがウィキペディア的には三井十一家。「一族」の方がしっくりと来るようです。


ちょっとしたオマケなどなど
 商業施設ならばすぐ近くに日本橋三越本店、コレド室町があって、三越本店には有名な天女像がありますね。また、地下鉄を使えば浅草、銀座、新橋も近いので遊ぶには不自由しないのですが、三井本館の隣は日本銀行本店。歴史に名を残すお金持ち一族ゆかりの美術館の帰り道には現在の日本のお金の発行元を訪ねてみるのはどうでしょうか。この文章を書いている時点では本店内部の見学には事前予約が必要とのことですが、辻向かいにある貨幣博物館は予約なし、無料で見学可能。日本の博物館では珍しい手荷物検査もあったりして、ちょっとだけいつもと違う雰囲気を味わうこともできます。


私はこうやってたどり着いた
東京メトロ銀座線三越前駅で降りたらA7から外へ

地上に出たらすぐ左の「日本橋三井タワー」の入り口から建物内部へ。

受付、展示室は左隣の三井本館


の7F。入り口を入ったら左側の通路へ

通路の行き当たりを左に行くと美術館へのエレベーター

7Fで降りたら右側へ行くと受付

82. 2010年開設で、まだまだピッカピカでした - 静岡市美術館(静岡県静岡市)

 60代も半ばになって振り返ってみると、自分と同年代は勿論、若い人たちの葬儀に参列した思い出も随分と増えてしまいましたし、まだ若い方が亡くなったというニュースに触れることはさらに多いです。人間、自分だけは大丈夫と勘違いして生きていることが多いけれど、実際のところは幾つかの幸運のおかげで生き延びているだけで、明日のことなどわかったものではないとつくづく思ってしまいます。今回は、静岡市で「さくらももこ展」が開催されていると聞いて新幹線に乗って出かけてきました。「ちびまる子ちゃん」やエッセイで語られるエピソードは1960年代に生まれ育ったアラカンに懐かしいものが多くて、TVのアニメも毎週のように楽しみにして見ていただけに、早逝されたのが残念でなりません。


ざっとした御説明(2023年6月下旬の情報です)

 2010年開設の新しい美術館。繁華街の一等地にあるビルの中にあって、常設展示はなくて企画展示のみ。ホームページによれば多目的室でのコンサートなども含めた様々な企画を開催しているとのことで、観光アイテムというよりは市民のための施設。ただし、ミュージアムショップやカフェスペースもあって、時折見かける「美術館という名の公民館」ではありませんでした。


アラカンの個人的な感想

 JRや静鉄の駅に近く、地下道で繋がっていてとても便利。エントランスホールも白い壁に落ち着いた照明が心地良くて、「アート」だとか「芸術」だとか気張ることなく気軽に訪れることができる施設だと思いました。ネットでも市民の交流のための街の中の広場を目指しているとのことでしたので、狙い通りの施設になっているのではないでしょうか。


ちょっとしたオマケなどなど

 静岡とと言えば富士山、お茶、清水の次郎長だったのが、いつの間にやら清水のまる子が次郎長を追いやってしまって、若い人は次郎長と聞いても何のことやらわからないかもしれません。駅の周辺至る所でイラストを見かけましたが、こちらの写真は静岡駅近くの繁華街で見つけたマンホールの蓋です。お茶は駿府城公園の紅葉山庭園でお菓子と共にいただきましたが、残る富士山は雲の向こう。アラカンが住む相模湾沿いからとは一味違う眺めを楽しみにしていたので、ちょっと残念でした。


私はこうやってたどり着いた
JR東海の静岡駅北口からスタート

地下道を直進

案内看板に従って左の地下道へ

美術館の入り口へ続くエスカレーターで3階へ

エスカレーターを降りたら右方に美術館入り口の自動ドア

81. 建物のすぐ前は皇居のお堀と緑色した広場です - 静嘉堂文庫美術館(東京都千代田区)

 祖母、母と二重橋を見に行ったのが最初の東京観光と記憶しています。大正の初めに生まれた祖母は、暮らしていた地域から祖父とともに勤労奉仕に選抜されて木の手入れや広場の清掃をしたことなどを、とても誇らしく思っていると話してくれました。戦後も戦後、高度経済成長期に子供時代を過ごしていたアラカンには何のことだかわからなかったとか、そんなことも含めて懐かしく思い出される皇居のすぐ近くに開設された美術館のご紹介です。


ざっとした御説明(2023年6月上旬の情報です)

 第2次大戦敗戦後にGHQが接収して使っていた、もしかすると皇居周辺でも飛び抜けて有名な建物の中に2022年に開設された美術館。それ以前は世田谷の交通至便とは言い難いところにあったもので、今でも世田谷に残る書庫部門は大学の研究者が予約して利用するようなところのようです。美術館部門の方は、丸の内にあるということから察しがつくように三菱財閥の創業家である岩崎家が蒐集したお宝を一般に公開している施設でした。


アラカンの個人的な感想

 歴史を感じさせる建物が大好きなアラカンとしては展示品よりも建物や館内の見学の方に興味があったのですが、明治時代の超絶技巧を駆使した綺麗な工芸品などが陳列されている展示も楽しかったです。「明治維新後に勃興した政商が買い集めたお宝」と行ってしまえば身も蓋もないのですが、綺麗なものは綺麗。存分に楽しめました。



ちょっとしたオマケなどなど
 かつてはマッカーサー元帥の執務室もあったという歴史的な建物ですので、まずは、この建物自体を楽しむのがよろしいのではないでしょうか。二度目以降ともなれば、すっかりと観光地化した丸の内自体、あるいは脚を伸ばして日比谷公園にや有楽町方面へ行ってもよしです。しかし、なんといっても目の前が二重橋や一面に松の木が立ち並ぶ広大な広場。時にはこちらをぶらぶらしてみるのもオススメです。注意を怠るとランナーと衝突しそうになるのが、ちょっと気にはなりますが。(笑)


私はこうやってたどり着いた
JRの東京駅丸の内南口からスタート

横断歩道を渡ってKITTE丸の内の前へ

右折して皇居方面へ

日比谷通りに出たら左折

明治生命館手前を左に入ると入り口