アラカンの逝く前に行ってみた

主に美術館巡りかな

49. 「ふぁいとぉー!いっぱーつ」でガッチリ - 上原美術館(静岡県下田市)

 新型コロナ流行以来、密にならずに楽しめる趣味として星空の写真撮影を始めてみました。しかし、相模湾沿いは大きな街が並び、さらに北東側に横浜、川崎、東京という大都市があるため、綺麗な写真を撮るのは難しいのが正直なところ。元気な若者は自家用車で天城高原や十国峠などの高い所を目指しているようですが、既に夜の視力に不安を感じているアラカンは、公共通機関で日帰りできる三浦半島や伊豆半島の海沿いで撮影しています。
 「上原美術館」が下田にあることを知ったのは、伊豆半島へ星空撮影に出かける際に利用する伊豆急行線の車内広告を見てのことです。


ざっとした御説明(2021年12月中旬の情報です)

 有名な製薬会社の創業者の奥様と、その息子さんとが開設に深く関わる私設の美術館。下田は奥様の出身地とのことでした。元になる上原近代美術館が2000年の開館、上原仏教美術館が開館したのが1983年と、個人のコレクションを展示する美術館としてはかなりの歴史があるようです。現在では、仏像を展示する建物と近代絵画を展示する建物の二つからなっていて、絵画の方はバレーボールコート半面ほどの展示室が一つにバドミントンコートくらいの展示室が二つ、仏像の方はバレーボールコートより少し広いくらいの大きな展示室に、照明を落とした小さな展示スペースが3つほどありました。仏像についての詳しい事はわからないのですが、絵画の方は20世紀初頭のフランス絵画や安井曽太郎、梅原龍三郎といった日本の一流どころの作品が並んでいました。アラカンの滞在時間は、美術館や蒐集家の紹介ビデオ鑑賞を含めて1時間ほどだったかな。


アラカンの個人的な感想

 周囲には住宅もあるものの、山の間の谷筋の斜面に建つ、とても静かな美術館でした。ゆっくりとした気分で時間を過ごすには良いところなのですが、問題はアクセス。交通の便が良いとは言い難い伊豆急下田の駅からバスで西伊豆方向へ向かい、バスを降りてからはさらに1kmほど歩きます。自家用車で行けば良さそうなものですが、伊豆半島の道路は主要道でもそこそこ厳しく、休日はかなり混むのでご注意を。


オススメするとするならば

 首都圏と伊豆急下田駅を結ぶ列車としては、「特急踊り子(写真右側)」が有名です。また、全車グリーン席の観光列車も走っていますが、どうせなら熱海ー伊豆急下田駅間だけを運行している「リゾート21」に乗ってみてはいかがでしょうか。「黒船電車(写真左側)」と「キンメ(鯛)電車」の2編成がありますが、お薦めは「キンメの2号車」。写真を用意できなかったのが残念ですが、70年台のおサイケな雰囲気も感じられる派手な車内で過ごすひと時は、豪華さが売りの観光列車では得られない体験になる事請け合いです。


私はこうやってたどり着いた
伊豆急下田駅の改札を出たら左方向にあるバスプールへ。


5番乗り場から「松崎・堂ヶ島」に乗車。このバスは伊豆急行の蓮台寺駅経由でしたので、各駅停車利用の方はそちらからでもOK。


「相玉」で下車。運転手さんに「美術館に行くつもりだ」と告げたら、帰りのバス停の場所を教えてくれました。


道路を渡って右折。帰りのバス停は商店の向こう側。本数は少なく、タクシーを呼んでも下
田の街から来ることになるはずなので時間がかかります。バス停の位置と帰りのバス時間を確認してから右折することをお勧めします。


要所に案内板がありました。慎重に行けば迷う事はないと思います。


道路右側に大きな看板と駐車場。左側の坂の上が目的地。