アラカンの逝く前に行ってみた

主に美術館巡りかな

中国の美術館 - 上海、蘇州

 いよいよ金がなくなってきた…という訳でもないのですが、ヨーロッパや北米まで行って8泊近い旅行をする気力が無くりつつあるのは確かなところ。そこで、パッと行ってサッと帰ってくることができる中国へ行ってきました。世界遺産も沢山あるし、航空機と高速鉄道を組み合わせれば、かなり気軽に遊びに行けるような気がしています。
 今回は数年振りの訪問で、中国が日本並みに街中で英語が使えない国だったのをすっかり忘れていたり、Google マップが使い物にならなくなっていて百度地図のお世話になったりとか色々ありましたが、中国語は簡体字に慣れると意外と読んで理解できる事を再発見できるなど、なかなかに面白かったです。


上海中国美術館

 今では縦に長い超高層ビル街が発達して、眺めがシカゴやニューヨークと大して変わらない感じになってしまった上海ですが、中国共産党が威信をかけて開催した万博のパビリオンだったこの建物は「とにかくデカイ」としか言いようがなく、10年経った今でも「威容」と言う表現がぴったりくるように思います。内部は広々としていて明るく、上下への移動はエスカレーターやスロープが用意されていて、快適な環境で楽しむことができました。

 展示されていたのは20世紀終盤以降の絵画、オブジェが中心。以前、北京を訪れた時にお世話になった現地ガイドの話では、歴史的な御宝は蒋介石が根こそぎ持って行ってしまったし、文化大革命では芸術家も迫害の対象になってしまったので、今の中国には見るべき美術品はないということだったのですが、油彩を中心とした絵画が数多く展示さていました。


上海当代芸術館

 街の中心部にある人民公園の中にある美術館。昔はこの公園の隣に上海美術館があったのですが現在は博物館になっていました。映像、音響ありのコテコテのコンテンポラリー・アートが展示されていたのですが、外の公園のリタイア組が集い、中には元気に歌を歌いまくっているグループもいると言う昔ながらの雰囲気とのギャップがとても面白かったです。

 ネットで見ると上海には現代美術を展示する美術館やギャラリーが続々とできているようです。美術品はお金の匂いが大好きですから、上海がロンドン、ニューヨーク、東京を上回る現代アートの集積地になる日は遠くないのかもしれません。


蘇州美術館

 蘇州は上海から高速鉄道で30分。東海道新幹線なら大宮、小田原あたりに相当するところにある街ですが、高い建物は歴史的な建造物である塔くらいなところは、鉄筋コンクリート製の復元天守閣より高い建物がない小田原と一緒。高速鉄道で30分で別世界へ行けてしまうあたりは日本も中国も一緒だなと思いました。

 百度地図で「報恩寺」を目指して歩いていて見つけた美術館です。ページ数が少ないガイドブックには載っていないかもしれません。規模は小さく、作りも質素。バレーボール・コート二面分くらいの展示室が一つと会議室サイズのものが一つで、ミュージアムショップ、カフェ等はないのですが地下鉄駅にあるようなX線による荷物検査装置はありました。ちなみに中国の方向けにはICチップの入った身分証をタッチする端末が用意されていて、外国人はパスポートを提示する必要がありました。おそらくは地方政府が直接運営している美術館なのではないかと思います。