アラカンの逝く前に行ってみた

主に美術館巡りかな

ハールレムの美術館 - オランダ

 オランダ3日目の朝はまたしても霧雨。とは言っても、現地の人は傘もささずに歩く程度の降りなので、観光旅行らしく「オランダの明治村」ことザーンセスカンスへ風車を見に行きました。しかしながら、着いた頃には風も吹きつつのまともな雨で、10時になってもあたりは暗い…。

そこで一人旅の柔軟さで予定変更、アムステルカードが使えて濡れずに済む「列車+美術館」をメインとして残りの時間を過ごす事にしました。行った先はハールレムという高い建物は教会の塔くらいという小さな街。下の写真は駅近くの商店街。

跳ね橋のかかる運河や大きな教会がある広場やなどもあって、アムステルダムとはまた違った魅力のある街だと思いましたけど、雨まじりの風が体も心も冷やしてくれて観光気分は今ひとつだったかな。


テイラー美術館
 チケット売り場で「ここは現代美術の美術館で古い絵画の美術館は別にあるんだけど、ここでいいのか?」と念を押されました。というのも、外観がこれ。

古典的な外観とは裏腹に建物の中は白を基調とした明るい展示室が5つほど。絵画だけではなく、オブジェあり、コラージュありで古典は皆無の徹底した現代美術専門の美術館でした。次に立ち寄ったフランス・ハルス美術館と併せる事で、新旧を展示する一つの美術館といったコンセプトのようでした。


フランス・ハルス美術館

 ハールレムにあるもう一つの美術館。こちらは17世紀の肖像画家の美術館なんだけど、入り口近くの飾り付けが上の写真。ぱっと見はこちらの方が現代美術の美術館っぽいのではないでしょうか。テーラー美術館で念を押されたのも納得です。
 さて、日本ではあまり知られていないフランス・ハルスですが、レンブラントと同じ頃に活躍した肖像画の大家という事でした。「言われてみれば」というところなのですが、このあと訪れた美術館で度々作品を目にしたので、美術史的に重要な作家なのは確かなようです。
 チケット売り場では「アムステルダムカードで入場できるのは常設展示3室だけで、感激するには足りないから8ユーロ払って企画展を見ていきなさい。」と強く勧められ、失礼がないように丁重にお断りするだけの英語力がないアラカンは不承不承に8ユーロ払いました。けれど、企画展ではハルスの影響を受けた印象派の画家たちの模写やゴッホの有名な肖像画(ボストン美術館所蔵のものとか)を鑑賞でき、結局のところはリーズナブルなお値段でした。