アラカンの逝く前に行ってみた

主に美術館巡りかな

37. 秋の山寺はアンバタ風味だった- 山寺 後藤美術館(山形県山形市)

 40年ほど前、仙台で暮らしていた頃の秋の娯楽と言えば「芋煮会」。大きな鍋と芋の子汁の具材をぶら下げて、仙山線の臨時列車で「奥新川」という山形との県境にある渓谷まで出かけていました。秋の渓谷の紅葉した樹々の美しさは流石は東北地方の山の中と感じさせてくれるものでしたが、今更、一人で行くところでもありません。そこで、渓谷の眺めを電車の車窓から楽しむべく、久しぶりで仙山線の車中の人となってみました。仙台から奥新川のちょっと先にある山寺・立石寺まで行って、そこでも名所、名物と紅葉を楽しんで仙台に戻ろうと思っていたのですが、着いて見たら、いつの間にか美術館ができていました。


ざっとした御説明(2019年10月下旬の情報です)

 実業家だった後藤さんが蒐集したヨーロッパの絵画(泰西名画というらしいです)やガラス工芸品などを展示している美術館で、ロココ、バルビゾン派、アールヌーボーと言ったフランス関連のものが多かったように思います。調べてみれば渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムでコレクション展が開催されたこともある、かなり本格的な美術館でした。

アラカンの個人的な感想
 立石寺の千と十段の石段を登り、松尾芭蕉の足跡やら生涯に思いを馳せた後、なんでヨーロッパの美術品を鑑賞しなければならないのか、とか考え始めると難しくなっちゃいますが、余計なことは考えなければ大丈夫。山寺がパンケーキで芭蕉と泰西名画は餡子とバターな訳です。ご自慢のコロー、クールベも良いのですが、アラカン的にはラファエル前派の一人、ジョン・エヴァレット・ミレイの作品を鑑賞できてうれしかったです。


オススメするとするならば

 山寺の名物と言えば「たまこんにゃく」。出汁醤油で煮込まれたものが串に刺されて売られていますので、おやつ感覚で食べ歩きできます。美術館は立石寺とは谷筋を隔てた隣の山にあるので、石段を登って奥の院を参拝してから下の町でこんにゃくを食した後、JRの駅を通り過ぎ、もう一度坂道を登ることになります。ちょっと辛い感じはありますが、反対の山からの立石寺の眺めもなかなかのもの。美術館の入場料で共通入場券が買える芭蕉記念館もありますので、お得感もありました。


私はこうやってたどり着いた
JR仙山線の山寺駅で下車。駅舎を出たら右方向へ。最初の交差点で右折。立石寺とは逆方向へ。


仙山線の線路をくぐって坂道を登ります。


坂道の途中、近道となる石段が右手に。


登りきったかと思ったら後方に登り返す階段。


階段を登ったら左方向、芭蕉記念館の建物を見ながら駐車場へ


駐車場の突き当たりが目的地