アラカンの逝く前に行ってみた

主に美術館巡りかな

アメリカの美術館 - ワシントンD.C.

 ワシントンD.C.を訪れたのは今回が二度目なのですが、前回はニューヨークからの日帰りで、ユニオン駅発着の日本人向けバスツアーを利用したら美術館には寄らずじまい。数年の時を経ての美術館訪問となりました。今回はDCのホテル代の高額さに負けてフィラデルフィアからの日帰りになりましたが、鉄道に乗る時間は短いし美術館巡りに絞ればどうにかるなぁと・・・。


フィリップス・コレクション

 三菱一号館美術館でコレクション展を観て以来、一度は行ってみたいと思っていました。コレクション展での印象では印象派の作品が数多く展示されているものだと思っていましたが、行ってみたら”AMERICA’S FIRST MUSEUM OF MODERN ART”なんだそうで、本館となっている元フィリップスさんの邸宅のお隣の新館ではコテコテのコンテンポラリー・アートが展示されていました。エル・グレコ、ゴヤからルノワール、ゴッホ、さらにはジョルジュ・ブラックもちゃんと展示されていたのですが、難民、移民の現在に焦点をあて、動画や音響効果を加えた展示の印象が強烈。故人のコレクション展示を越えて現在も変化し続けているというパンフレットの主張が納得できる美術館でした。

 ところで、建物近くの路上には杖をついたガンジシー像が黙々と行進中。ネットの旅行記なんかに写真を掲載している方は数多くおいでになるのですが、その由来は不明です。美術館とは関係なさそうですし、閑静な住宅街になんでガンジー像なのでしょう。あー気になる。


ナショナル・ギャラリー・オブ・アート

 連邦議会からワシントン記念塔まで広がる大きな公園の半分の長さで横たわる建物には、思わず腰が引けてしまいましたが、展示室の配置がシンプルで意外と楽にみて回ることができました。西館、東館、彫刻広場があって、ルネッサンス以前の宗教画からラファエロ、ダビンチやファルメール、レンブラントなど北方も含めたルネッサンス期の作品、アメリカ人が大好きな印象派はもちろん、ミロ、ピカソ、カンディンスキー等々のモダン・アートやジョージア・オキーフ、アンディ・ウォホールを越えて現代作家のカラフなオブジェまで、一通りなんでもある感じ。

 強いて言えば、欧米の美術館の必須アイテムかも知れない古代エジプトやローマ、ギリシャの遺物や日本の浮世絵なんかは控え目で、それとイギリスの画家も目立たなくてターナーくらい。イギリスを代表する唯美主義とかラファエロ前派と呼ばれる画家の作品はアメリカ人であるホイッスラーだけだったかも。とは言っても、西館ではアメリカのお金持ちの半端なさをたっぷりと堪能できたように思います。


 コンテンポラリー・アートの展示や企画展は東館側にあり、西館との間には広々としたカフェやミュージアム・ショップ。

 ちなみに開催中だった企画展は西館での展示の少なさとバランスを取ったわけではないでしょうが「日本の絵画に見る動物達」。

 東館で展示されているコンテンポラリー・アートはカラフルな絵画、オブジェが中心で、フィリップス・コレクションでの展示のような政治的なメッセージは感じらませんでした。特に、屋上スペースのオブジェは、好天だった事もあって、ただ単純に楽しかったです。

 2時間以上歩き回りましたが、企画展と彫刻庭園はパス。結局のところ、ワシントンDCには美術館、博物館が数多くあって、フィラデルフィアからの日帰りでは時間が足りませんでした。


ハーシュホーン美術館

 スミソニアンの博物館群の中にありますが、個人の収集品がベースになった美術館。ガイドブック等では現代美術専門ということになっているようですが、ジャコメッティ、モンドリアンといった評価が確定しているモダンの画家、作家の作品も数多く展示されていて取りつきやすい感じ。しかも、館内は色彩豊かで、現代美術に興味がなくても楽しめるんじゃないかと思いました。

 ここでは、カラフルな展示作品を見て回るのも楽しいのですが3階からの広場の眺めが秀逸。上方に掲載したナショナル・ギャラリーの写真は3階の窓越しに撮影したものです。

 彫刻の屋外展示もあって、定番のロダンとかに交じって「草間弥生さんのかぼちゃ」が抜群の存在感を放っていました。