アラカンの逝く前に行ってみた

主に美術館巡りかな

アメリカの美術館 - フィラデルフィア


フィラデルフィア美術館
 スタローンが主演した映画の封切りから40年近くが経つわけですが、美術館前の「ロッキー」の銅像の前にはポーズを決めつつ写真に収ろうとする人が行列を作り、大階段には階段を駆け上がる観光客らしき姿。未だに根強い人気があるようでした。

 すごいと言えば、建物がとにかく御立派。空港から乗った鉄道が街中の30th Street Stationに近づいてたところで川越に見える姿は、なかなかに見応えがありました。展示として建物の一部が移設されていたり、本館以外にロダン美術館や植民地時代の歴史的建築物、彫刻が置かれた広い公園もあるということで、その辺りも合わせたスケールの大きさは、とってもアメリカン。

 絵画の展示はオーソドックスで、主にフランスの印象派からモダンの画家の作品が多いところはアメリカの美術館らしいと言えば、らしかったです。目玉はゴッホが描いた大振
りの向日葵3枚のうちの1枚。(1枚は新宿にあります)

 この美術館では、以前に横浜美術館の企画展で取り上げられていたことがあるアメリカ人女性画家、メアリー・カサットの作品にであうことができたのですが、他のアメリカの作品が少なかったのが、ちょっとだけ寂しかったです。


ロダン美術館

 本館から離れたところにあって独立した美術館のように思えますが、フィラデルフィア美術館の一部なようです。観光名所である市庁舎やバーンズ・コレクションに近いので、こちらの建物を先に訪れる人も多いかもしれません。天井は高いながら平屋の小さな建物と庭にロダンのブロンズ像が並んでいて、美術館というよりは彫刻のある御屋敷といった雰囲気。敷地入り口付近では新郎新婦が写真撮影をしていたりして、なんともノンビリとした雰囲気のところでした。


バーンズ・コレクション

 個人の収蔵品がベースになった美術館ですが、アメリカ人のフランス印象派好きを象徴するかのような美術館。作品としてはセザンヌとルノワールが数多く展示され、中でもルノワールの裸婦、しかも暖色系の作品が多かったような気がします。その他も19世紀終わりから20世紀初頭(ピカソくらいまで)の作品が目立ち、また、展示の方法も壁いっぱいに作品を並べるヨーロッパスタイルで、バーンズさんのこだわりが強く感じられる美術館でした。

 個人の趣味と言えば、ジョージア・オキーフについて「何点か収集して一度は展示したものの暫くしてやめてしまった。」、というお話が書かれたボードが展示されていました。その際には、バーンズさんから直接経緯を説明し、理解を求めたのだそうです。そんな話が未だに公開されているということからすると、アメリカの人たちにとってジョージア・オキーフは特別な人なのかもしれません。