アラカンの逝く前に行ってみた

主に美術館巡りかな

15. 新宿のビルの谷間の平成の名残り - 東郷青児記念損保ジャパン日本興和美術館(東京都新宿区)

 高層ビルの42階にある美術館。いまでは六本木ヒルズの52階に森アーツセンターが出来て「高さ」のインパクトはちょっと弱めになってしまいましたが、高層ビルからの眺めとゴッホの「ひまわり」をいっぺんに楽しめるのは世界でもここだけ。平成が終わるのに合わせたかのように地上に新館を建設していて、いつの間にか長くなった美術館名というか損保会社名共々、30年という時間は決して短くなはいと思わされてしまいました。


ざっとした御説明(2019年1月上旬の情報です)

 もともとは東郷青児氏の作品の寄贈を受けた損保会社が設立した美術館だったとのことですが、バブル景気の始まりの頃に4000万ドル近い金額でゴッホのひまわりを購入して、そちらの方で一躍有名になった美術館。私もニュースで見たのを覚えています。東京都庁を始めとして超高層ビルが数多く建設された現在ではビルの42階と聞いても驚くこともなくなりましたが、そんな所に美術館があって、数十億円の絵を展示するということは日本の金満振りを世界にアピールというか、呆れられてしまうには十分な出来事でした。


アラカンの個人的な感想

 レストランや展望台に行く人で混雑している六本木ヒルズに比べれば、美術館専用の入り口とエレベーターでアクセスするのでとっても静か。その静けさの中にゴッホの作品としては大振りな部類に入る「ひまわり」があって、その左にはセザンヌの静物、右側にはゴーギャンの風景画が展示されているのは豪華だと思います。ただ、それだけだと急激にお金持ちになった方のお屋敷の書斎になってしまうので、肝心の東郷青児氏の作品なんかもしっかり展示して欲しいところなのだけど、現状では少なめ。新館になって展示スペースが広がったら、たっぷりと展示して欲しいものです。それと、76歳で初めて絵筆を握ったというグランマ・モーゼスの可愛らしい絵も収集されているので、こちらの展示も増えないものかと思っています。


 と、いうことで、建設中の新館にはとても期待しています。


オススメするとするならば
 新館への移行は2020年5月の予定とのこと。登るんなら「今」ということのようです。


私はこうやってたどり着いた
 新宿駅到着後の最初の目標は西口の新大久保側、小田急北館やエルタワー。出口の番号なら20番が最寄り。


 20番出口から地上へ。エルタワー地下2階のレストラン街が開いていれば通り抜けてもOK。


 地上に出たら、ラグビーボールのようなコクーン・ビルとエルタワーの間の道を新宿駅とは逆方向へ。


 交差点に出ると目の前に「日本興和損保ジャパン本社ビル」。 


 美術館の入り口はビルの反対側。横断歩道を渡ってもう少し直進した先の右手。コインロッカーは42階にもありますが、地上のエレベータホール脇にあるものを使っておくのが無難でしょう。