アラカンの逝く前に行ってみた

主に美術館巡りかな

13. 真鶴岬の先っちょ、原生林の中に静かに佇む - 真鶴町立中川一政美術館(神奈川県足柄下郡)

 東京方面からやってきた東海道線の車窓からの眺めは、小田原、早川を過ぎたあたりから「前は海、後ろは山」になって、関東の端と言うよりも伊豆の入り口といった感じが強くなります。


 人家は入江の崖地に張り付くようにして建ち、森には常緑照葉樹の巨木。そんな景色のさらに奥、小さな岬の先端近くまで行ってきました。


ざっとした御説明(2018年12月下旬の情報です)

 真鶴町にアトリエを構えていた中川一政画伯(1991年97歳で御逝去)が、御自身の作品を町に寄贈した事をきっかけにして設立された美術館だそうで、絵画、書、所蔵品の展示室に茶室、画伯が出演したTV番組のVTRが流れている休憩スペースなどがありました。絵画では画伯の作品ばかりではなく、平塚市美術館所蔵の画伯と親交のあった画家の作品が企画展示されていたのですが、岸田劉生、武者小路実篤といった日本史の教科書に出てくるような名前が並んでいました。


アラカンの個人的な感想
 親交があった方々の名前からもわかるように、生まれは明治でかなりのご長寿だったそうです。これまた日本史の教科書で目にする文芸誌「白樺」でゴッホやセザンヌに触発されて画家になったそうなのですが、筆致の大胆さはアルル時代以降のゴッホを思わせる大胆で力強いものでした。その力強さは80歳代、90歳代と年齢を重ねる毎に増しているように感じられ、還暦前のアラカンなんぞが老け込むのは、まだまだ早いと思ってしまいました。


オススメするとするならば
 やっぱり海の眺めが素晴らしいです。東京方面から行ったとするならば、国府津あたりで伊豆大島、伊豆半島と山々、箱根、富士山が、真鶴に近づけば相模湾沿いに並ぶ街が眺望できます。冷たく晴れた日ならば三浦半島の先端の方や利島なんかも見えるはずなのですが、アラカンが訪れた日は霞みがかっていて小田原がかろうじて見える程度でした。

 電車ならば進行方向左側が見える席をお勧めします。眺望が良いということでは、、道路の混雑が気になるところではありますが、自家用車で西湘バイパス、国道135号線を利用するのも良いのでは。


私はこうやってたどり着いた
 最寄駅はJR真鶴駅。駅前のバス乗り場3番から「ケープ真鶴行き」で15
分ほど、片道250円。真鶴街が運営するコミュニティーバスもあって、両方を合わせると1時間に1本程度の頻度で出ているようでした。